12 post categorizzati come "彼女の恋した南イタリア"

16/04/06

スクリーンの向こう側・第6回:『マカロニ』(後編)

前編から続く)

表通りを歩いているだけでは通り過ぎてしまう場所にも、静かで美しい空間や、人情味溢れる空間が広がっている街。

表通りを脇目も振らず駆け抜けてきたロバートと、隠された場所で人生を楽しんできたアントニオ。

「人生を浪費するのは楽しい」

と、アントニオが言うように、限られた時間を無駄にしないようにということばかりに気を遣っていると、かえって、ゆとりとか、楽しみとか、そういったものから遠ざかってしまうような気がします。あるいは逆に、浪費するだけのゆとりがあってこそ、人生を楽しめるようになるのかもしれません。

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15/04/06

スクリーンの向こう側・第6回:『マカロニ』(前編)

1572528087「ナポリの人しかいない星に暮らせるなら、どんなに素敵だろうと思います。わたしならきっと、うまくやってゆけるはずなのですから」

これは、イタリア映画の顔のひとり、マルチェロ・マストロヤンニが自身の経歴を回想しながら語る「不滅の名優マルチェロ・マストロヤンニ (TV放映時のタイトル)」という映画の中で、映画撮影や舞台の仕事で訪れた街・ナポリについて語ったことばです。

200本近くの作品に出演し、イタリアの主立った監督たちと仕事をしたマストロヤンニは、おそらく、ロケのためイタリア各地を旅したでしょう。そのマストロヤンニが、「ナポリの人しかいない星に……」と言うからには、彼がナポリをどれほど気に入っていたかが伺えます。

今回は、そのナポリを舞台にしたマストロヤンニ作品の中から、『マカロニ』をご紹介します。

『マカロニ』は名匠エットレ・スコーラ監督の作品で、マルチェロ・マストロヤンニとジャック・レモンの共演作。かつての友人同士だったアントニオ(マストロヤンニ)とロバート(レモン)が再会し、かけがえのない友情を手にするストーリーです。

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28/12/05

スクリーンの向こう側・第5回:『オンリー・ユー』(後編)

前編から続く)

ポジターノに来たのには目的がありますから、リゾートを満喫するような光景ばかりというわけではないのですが、それでも、デイモンを探すプールの向こうにも、夕焼けを眺める部屋のテラスからも、ロマンチックな食事をするリストランテからも、明るい日差しの中コーヒーを飲むテラスからも、必ず海が見えます。

南イタリアの空の色を映し出すティレニア海は、スクリーンの主役ではありませんが、見る人に強い印象を残す名脇役ではないかと思います。この作品を見た後は、レ・シレヌーセに泊まって海を眺めて過ごすためだけに、ポジターノへ行ってもいいとさえ思えるほどですから。

ちなみに、このホテルの名前であるシレヌーセというのは、ギリシャ神話のセイレーンに由来しているのだそうです。船人たちを惑わす歌声を持つセイレーンが暮らす海。そんな海が目の前に広がっているのですから、打ち寄せる波の音を聴きながら、フェイスがいつにも増してロマンチストになって、かつての占いを信じきってしまったのも、攻められないことかもしれません。

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27/12/05

スクリーンの向こう側・第5回:『オンリー・ユー』(前編)

B000002AO0シチリアからスタートして徐々に北上しようという予定で、前回はようやく本土上陸、バジリカータを舞台とした『ぼくは怖くない』をご紹介しました。さて、次は何にしよう?

当初の予定では、プーリアが舞台の『血の記憶』にしようかと考えていました。この地方の方言はギリシャ語の影響が大きく、他の地方の人には難解なため、イタリア国内での公開時にイタリア語字幕が付いたという、いわくつきの作品です。

この作品は、第1回のイタリア映画祭で上映され、その後一般公開もされているのですが、日本どころか欧米でもソフトの入手が難しいようなのです(私が確認した限りでは販売されていませんでした)。せっかくご紹介しても、今後見られる可能性がかなり低いのではないかと判断し、別の作品をご紹介させていただくことにしました。

では、次なる舞台は……メルフィからぐぐっと北上してカンパーニア州はポジターノまで飛んでいくことにしました。ポジターノといえば、昨年公開されたダイアン・レイン主演の『トスカーナの休日』でも、甘いルックスのイタリア男が住んでいる海沿いの街として、登場していましたね。でも、今回は別の作品、『オンリー・ユー』をご紹介したいと思います。

『オンリー・ユー』は、アメリカ製作のラブ・コメディで、マリサ・トメイ演じるフェイスが、”運命の人”デイモン・ブラッドリーを追って、アメリカからイタリアへと飛び、イタリア各地を巡るロード・ムービーです。

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11/09/05

スクリーンの向こう側・第4回:『ぼくは怖くない』(後編)

前編から続く)


「囚われているフィリッポは助けたい。」
「貧しい村の大人の事情は、わからないわけでもない。」
「良いか悪いかと問われれば、大人たちの行動は悪いこと。」
「でも大好きな両親も関わっているとしたら、どうしたらいい?」

ミケーレは、どんな答えをみつけるのでしょう。

痛みを知ったミケーレとフィリッポが手を差し伸べあうとき、ふたりは大人にはない強さ、「怖くない」と言える強さを手にしたのかもしれません。

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10/09/05

スクリーンの向こう側・第4回:『ぼくは怖くない』(前編)

ぼくは怖くない南イタリアを舞台にした映画、といったところで『明日を夢見て』『親愛なる日記』『情事』と、シチリアを巡る映画を3本取り上げました。シチリアを舞台にした作品や、意外なところでシチリアロケが挿入されている(他の都市が舞台なのにロケだけはシチリア)作品など、まだまだあるのですが、そろそろ半島に上陸しなければいけませんね。

さて、今回はイタリア半島の”土踏まず”、バジリカータ州が舞台の『ぼくは怖くない』をご紹介します。

舞台はプーリア州とバジリカータ州の州境に位置するメルフィ。わずか5家族だけの小さな村での話です。物語は主人公の少年・ミケーレが、仲間との遊び場所のひとつである廃屋の裏手に穴をみつけたことから始まります。偶然みつけたその穴には、フィリッポという少年が監禁されていました。やがて、ミケーレは、その少年についての秘密を知ってしまい、苦悩することになります。

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02/07/05

スクリーンの向こう側・第3回:『情事』(後編)

前編から続く)


アンナはなぜ失踪したのか? 失踪したアンナは生きているのか? 生きているとしたらどこに? 謎はひとつとして明らかにならず謎のままです。それは、この作品の最大の焦点はアンナの動向ではないから。あくまでも、不安に駆られるクラウディアの心情のほうが、メインなのです。

ラストでは、クラウディアの感じた不安のひとつが、現実のものとなります。サン・ドメニコ・パラスの人気(ひとけ)のないホールや廊下は、実際以上にその広さを感じさせ、その空虚さがなによりクラウディアの心と重なって感じられます。


別の作品では、明るく美しいホテルとして映ったサン・ドメニコ・パラスが、陰鬱で寂しげな印象を抱かせるのは、モノクロ作品のせいだけではないでしょう。

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01/07/05

スクリーンの向こう側・第3回:『情事』(前編)

L'Avventura (B.F.I. Film Classics)ホテル、サン・ドメニコ・パラスの陽光溢れる回廊、表彰式の行われた中庭……シチリアの青い海を舞台にした映画『グラン・ブルー』のシーンを記憶してらっしゃる方も少なくないかと思います。

シチリアの景勝地、タオルミーナを舞台としたこの作品は、モデルとなった実在のダイバーの意向(*)などもあり、イタリアでは公開されていないらしいのですが、日本ではよく知られている作品ですので、この作品をきっかけにシチリアを訪れた方も多いのではないでしょうか。

修道院だった建物を改装したサン・ドメニコ・パラスは、この『グラン・ブルー』の名前とともに語られることが多いのですけれど、今回はこのホテルが登場する別の作品を取り上げてみたいと思います。

ミケランジェロ・アントニオーニ監督の『情事』です。

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11/05/05

『スクリーンの向こう側』第2回:「親愛なる日記」(後編)

前編から続く)

次々と島を移動していく中で映る青い海は美しいのですが、なぜか休日へと誘う強烈な魅力は感じられません。むしろ、サッカーグラウンドのすぐ奥にも手前にも広がる海を見ると、狭い陸地に立っていることに対する言いようのない不安を感じます。荒涼とした岩肌のストロンボリの火山も然り。

そこにあるのは、美しいと愛でていればよいだけの自然ではなく、押し寄せてくるような力強さと厳しさをも合わせ持った自然です。

さて、モレッティは5つ目のアリクーディ島で、ようやく静寂を手に入れます。脚本はどうなるのでしょうか。

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10/05/05

『スクリーンの向こう側』第2回:「親愛なる日記」(前編)

感動のストーリーに涙したり、ありえないアクションにワクワクしたり、美しいディーヴァの横顔に見惚れたり……。映画の楽しみ方って、「こうでなくっちゃ」と堅苦しいものがあるわけではありませんから、ひとそれぞれですし、いくつかが混ざってたりもしますよね。そのいくつかの楽しみ方に、私はときどき「疑似体験」が入ります。

つまり、映画を観ながら、主人公と一緒に旅をしてみたり、恋愛をしてみたり、という気分になっちゃうわけです。今回はそんな風に、主人公と一緒に"島めぐり"をする作品をご紹介しましょう。

ナンニ・モレッティ監督の『親愛なる日記』です。


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