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01/07/05

スクリーンの向こう側・第3回:『情事』(前編)

L'Avventura (B.F.I. Film Classics)ホテル、サン・ドメニコ・パラスの陽光溢れる回廊、表彰式の行われた中庭……シチリアの青い海を舞台にした映画『グラン・ブルー』のシーンを記憶してらっしゃる方も少なくないかと思います。

シチリアの景勝地、タオルミーナを舞台としたこの作品は、モデルとなった実在のダイバーの意向(*)などもあり、イタリアでは公開されていないらしいのですが、日本ではよく知られている作品ですので、この作品をきっかけにシチリアを訪れた方も多いのではないでしょうか。

修道院だった建物を改装したサン・ドメニコ・パラスは、この『グラン・ブルー』の名前とともに語られることが多いのですけれど、今回はこのホテルが登場する別の作品を取り上げてみたいと思います。

ミケランジェロ・アントニオーニ監督の『情事』です。

アントニオーニは、今年『愛の神、エロス』が公開され、92歳という年齢をものともせず活動を続ける監督です。そのアントニオーニの描く作品世界のキーワードとして知られているフレーズが「愛の不毛」。

人と人が愛し合うことの困難さが、一貫したテーマです。

シチリアを舞台とした『情事』は、ローマに暮らすアンナとクラウディアが、グループでシチリア旅行へと向かうところから始まります。しかし、着いた矢先に姿を消してしまうアンナ。

アンナが姿を消すのは、パナレア島のそばにある小さな島、リスカ・ビアンカ島です。前回取り上げた作品『親愛なる日記』で、モレッティが島めぐりをしたエオリエ諸島の島です。『親愛なる日記』では、なにやら盛りだくさんなイベントが企画されたリゾートとして描かれていたパナレア島のすぐ横に、無人島のような閑散とした風景が広がります。

アンナはどちらかといえば上流家庭の娘で、若く美しく、素敵な彼もいるという、客観的には満ち足りた女性。小さな不満や不安はあるにせよ失踪までする理由などないはずなのですが、そのアンナが消えてしまい、グループのうち、アンナと仲の良いクラウディアと、アンナの彼・サンドロのふたりでアンナの行方を追うことになります。

ふたりはメッシーナ、ノト、タオルミーナと、「似ている女性を見かけた」などという頼りない情報を手繰り、アンナを探してシチリアを旅します。

クラウディアとサンドロの、アンナを探すという「共通の目的」は、いつしかふたりにとって情事の「口実」へと変化します。そして、クラウディアは、アンナが見つかってほしい、でもアンナが見つからなければいい……という相反する感情を抱え込むことに。


後編に続く)
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