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03/03/05

『スクリーンの向こう側』第1回:「明日を夢見て」(前編)

先日、CinemaItaliaと相互リンクしているCapri Blueが発行しているメルマガ「彼女の恋した南イタリア」に記事を書かせていただきました。今後、ふた月に1本ぐらいのペースで、南イタリア各地を舞台にしたイタリア映画を取り上げて、CinemaItaliaとはちょっと違うスタイル・視点で記事を書いていく予定です。

またその記事に連動して、おすすめのワインなどをその道のスペシャリストが紹介してくださいます。(←これは、私もとっても楽しみ!)

こちらでは、メルマガ発行後に記事を再録していきます。

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『スクリーンの向こう側』 ~ 映画で南イタリア
第1回:「明日を夢見て」

南イタリアって、どこからどこまで? ----- 南イタリアを舞台にした映画をご紹介するにあたって、まず浮かんだ疑問でした。慣例的に南イタリアと言われる地域はあると思いますが、それでも、南北2つに分けるのと、北部・中部・南部と3つに分けるのでは、境目が違ってくるはずですし。

とにかく第1回目は、"確実に"南イタリアであるシチリアを舞台にした作品を選んで、回を追うごとに北上して行こうと思います。

「ちょっと、北まで行き過ぎたんじゃない?」って思ったところでストップをかけてくださいね。>ジーノさん

では、第1回目の作品「明日を夢見て」についてお話していきましょう。この作品は、「ニュー・シネマ・パラダイス」を撮ったジュゼッペ・トルナトーレ監督の1995年の作品です。「ニュー・シネマ・パラダイス」が、映画を見る側視点の作品だとすれば、「明日を夢見て」は、映画を作る側の視点を取り入れた作品。過去の名作や映画人たちの名前がたくさん登場するなど、「ニュー・シネマ・パラダイス」同様に、映画への愛情が感じられます。ですから、「ニュー・シネマ・パラダイス」をご覧になったら、対で観て欲しい作品なのです。

「明日を夢見て」で主人公・ジョーを演じるのは、最近「赤いアモーレ」が公開されたセルジオ・カステリット。「かぼちゃ大王」や「マーサの幸せレシピ」に出演していた俳優さんで、イタリア映画祭でも「目をつむって」「母の微笑み」「カテリーナ都会へ行く」と常連の顔です。

ジョーは、映画プロダクションのスカウトのような仕事をしていて、新人を発掘するべくシチリアの田舎町を訪れます。----原題の"L'uomo delle stelle"は、さしずめ「スターを見つけ出す男」といったところでしょうか----そこで彼は、オーディションと称してフィルムテストをしています。「フィルムはローマで審査される」というジョーのことばを信じて、淡い期待を胸に集まる人々。この作品の背景となる1950年代初頭は、ネオ・レアリズム華やかし頃。「靴みがき」「揺れる大地」「自転車泥棒」など、素人俳優を起用したヒット作も何本かあったのです。全くの素人でもスターになれるチャンスがあるのではないかと、ジョーのオーディションに集まる人々が期待するのも無理はなかったのでしょう。

ところが、実はこのフィルムテストというのが、ジョーの嘘。カメラにフィルムは入っておらず、テストの手数料を巻き上げるのが、詐欺師であるジョーの目的でした。

そうとは知らない町の人々は、カメラの前で思い思いに語り始めます。これが、それぞれ濃いひとたちばかりで、おもしろい! 色仕掛けで成功を手に入れようとする人なんかもいるんですが、過去のつらい経験を告白しちゃう人や、自慢話を続ける人、ガリバルディの赤シャツ千人隊に参加したというおじいさんなど、皆なんのためにカメラの前に立っているのか確認したくなるほど、饒舌に自己主張を続けます。

後編に続く)
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