ベリッシマ/ Bellissima
<ストーリー>
1950年代、ローマ。自分の娘を映画スターにしようと奔走する母親を描いたコメディ。
大監督ブラゼッティの新作映画の子役オーディションに、チネチッタを訪れたマッダレーナ。娘のマリアは一時審査を通過したが、マッダレーナは次の審査のために髪型・洋服・演技のレッスンとマリアに磨きをかけ、「コネクションが大切」「オーディションは出来レースらしい」という噂に翻弄される。娘を映画スターにという思いが先行し、本人の気持ちも、家族への思いやりも、新居の購入も後回し。マリアは見事、オーディションに合格するのだが……。
<レビュー>
バイタリティ溢れるイタリアのマンマをマニャーニが好演。彼女の魅力、持ち味が発揮された作品である。→続きを読む
<作品データ>
本作品発表当時は、ネオレアリズモ華やかりし頃。「自転車泥棒」「靴みがき」などで子役も含め、素人俳優の起用が多かった。実際に「我が子を映画スターに」と願った親も多かったろうし、またそのチャンスもあったのではないかと思う。そういった時代背景をこの作品は反映している。
ラストに流れる映画はバート・ランカスターの出演作。「山猫」「家族の肖像」と後の重要なヴィスコンティ作品で主役を務めるランカスターがここに登場していたのは、偶然とはいえ、やはり縁があったのだと思わずにはいられない。
製作 / 1951 イタリア
監督 / ルキノ・ヴィスコンティ
キャスト / マッダレーナ … アンナ・マニャーニ
アンノヴァッツィ(マッダレーナと知り合う映画業界の男) … ヴァルテル・キアーリ
マリア … ティーナ・アピチェッラ
アレッサンドロ・ブラゼッティ … 本人役:サイレント時代から活躍している映画監督である。
媒体 / VIDEO,DVD → ヴィスコンティ DVD-BOX 3
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